2002年05月13日号

フィラリア注射の副作用!?
正しい知識を身につけよう!!

動物病院はフィラリアの予防シーズン真っ盛りです。
先日、
「今年は注射も出ましたが、フィラリアの予防は何でいきましょうか?」と飼い主さんに尋ねたところ、
「人から聞いたんですけど、『フィラリアの注射は副作用が出る』と言われたので、飲み薬にします。」
と言われましたので、飲み薬で予防することになりました。効果は同じなので、何ら問題はありません。
ひと言、飼い主さんに正しい知識を伝えておきました。

「フィラリアの注射で副作用が出ることは、多分あるでしょう。幸いにもうちの病院では、まだ経験がありませんが。。。5種や8種の混合ワクチンでも副作用が出ることがあります。顔が腫れたり、元気がなくなったり等々。体温を測って、身体検査して、『ん?!』と感じたらそれなりの処置をするか、ワクチンの接種を延期します。例えば、アレルギー性皮膚炎を患っているワンちゃんに、そのままワクチン接種をすることは、うちの病院ではあり得ません。フィラリアの予防注射も同じです。身体検査をして、ちょっとでも『ん?!』と思ったら『飲み薬にしてはどうですか?』とか、『注射を打った後、ちょっと預かって様子を見ましょう!』と言う対処法を取っています。人に聞いたからと言って、全部信じて、何でも怖がるのはあまり良くないと思いますよ。

フィラリアの注射が出た時に発売元は、「フィラリアの予防注射は、他の予防注射と併用しても大丈夫です。」と説明に来ました。そこで私がひと言(この時、まだ私はフィラリアの注射を1回も経験していなかった)「一緒に注射して、もし副作用が出たら、どっちで副作用が出たか分からなくなっちゃうよ。うちの病院では、別々に注射する。」と啖呵を切りました。現在、発売元も「他の予防注射と併用しても大丈夫。」と言わなくなりました。

さて、ここでちょっと考えてみましょう!!
もともと注射しかない予防、混合ワクチンとか狂犬病ワクチンでは、副作用が出る可能性がありますが、説明を受けた上で皆さん注射していますよね。フィラリアの予防注射も同じです。このHPの『フィラリア予防注射って何??』で書きましたが、フィラリアを予防するのに、どの方法を使っても効果は同じです。
注射剤が出た背景には、飼い主さんが時々『フィラリアの予防薬を飲ませるの忘れちゃった。。。大丈夫かなぁ。。。』という不安を一掃するのと、それが原因で不幸にしてワンちゃんがフィラリアに罹ってしまうのを防ぐ目的で作り出された訳です。

『フィラリアの予防注射をして、副作用が出ることは絶対ない。』と言っているわけではありません。しかし、それを言うなら混合ワクチンは? 病気になった時に飲ませる薬の副作用は? と言うのと同じです。『じゃぁ、何もしないのが一番!!』のような気がしますが、もしそうしてしまったら。。。結果はお分かりですよね。伝染病やフィラリアで亡くなるワンちゃんが増えて、平均寿命が5年くらいになっちゃうでしょうね。

これを踏まえて、獣医さんと相談しながら予防の方法を決めることをお勧めします。

とにかく、近所のイヌ博士の言うことで不安を感じたら、動物病院に相談しましょう!!