2002年08月10日号

ひと口にガンと言っても・・・(2)

【リンパ腫】
 この腫瘍はワンちゃんでは肥満細胞腫に次いで二番目に多い腫瘍です。

ワンちゃんのリンパ腫

 多中心型  −  80%   身体のあちこちにあるリンパ節にできる。
 縦隔型   −  5%    胸の中にある縦隔リンパ節に起きる。
 消化器型  −  5-7%   主に腸に起きる。
 その他   −  8-10%

 このガンは「臨床獣医師の腕の見せ所」と言われるくらい抗ガン剤によく反応してくれます。そのためには、十分な検査をしてワンちゃんがどのステージにいるのか調べることが大切です。

【リンパ腫検査の第一ステップ】
 針で刺して、内容物を吸引します。それから細胞検査を行います。リンパ腫以外でもリンパ節が腫れることがあるので、『腫瘍』であることを確認します。  

   腫瘍ではないもの -- リンパ節炎(感染の影響でリンパ節が腫れるもの)
              リンパ節過形成(何らかの理由でリンパ節が大きくなっているが、         
              腫瘍ではないもの)
              
   腫瘍       -- リンパ腫
              他の腫瘍の転移

【リンパ腫検査の第二ステップ】
 全身麻酔をかけて、一部を取って検査センターに送ります。何日か後に結果が送られてきて、その 部分がリンパ腫なのか、そうでないのかを判断します。そして身体の他の部分に転移がないかどうかを確認します。これらの手順でワンちゃんがどの段階にいるかを判定します。
 この段階分けをすることで、おおよそどの位生きられるかが分かります。

           良くなるワンちゃんの%     生存期間の平均
 ステロイド剤単独      33%             2ヶ月
 COPまたはADM        60-77%                      6-8ヶ月
 CVT-XまたはCHOP      60-77%           8-11ヶ月
 UW-Madison          82%                      11-12ヶ月
 AMCまたはVELCAP-L     70-80%                       12ヶ月

 もちろん腸にリンパ腫ができてしまって、詰まっていれば切り取って腸の流れを確保してやる必要があります。また鼻の中、腎臓などにもリンパ腫ができることがあります。
 この腫瘍はうまくコントロールできても、『再燃』と呼ばれる再発があります。この場合には、違う抗ガン剤を使うことになりますが、1度目に比べて反応が悪い上に生存期間も短くなるのが通常です。
 多くの種類の抗ガン剤を使うことで、心配な『副作用』を軽くしてあげることができます。現段階では、以前から言われている強烈な副作用を軽減することができるようになったと感じています。

 ちなみに当院ではVELCAP-L法とUW-Madison法を使っています。

<つづく>