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避妊・去勢手術の料金について

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避妊・去勢手術の料金について/2003年6月14日号

  • この話題は、ホームページのメッセージボードによく問い合わせがある事項です。それは避妊手術をすることによって乳腺腫瘍がどの位の割合で予防できるのかということです。これについては1969年に有名な報告があり、腫瘍学者も未だにこの数字を使います。ちょっと古いと思われるかもしれませんが、それだけ信憑性のある報告だったわけです。

避妊手術と乳腺腫瘍発生率の関係

  • 避妊手術をしない場合の乳腺腫瘍発生率 25%
  • 初回発情前に避妊手術 0.05%(10,000頭に5頭)
  • 1回目の発情後に避妊手術 8%(100頭中8頭)
  • 2回目の発情後に避妊手術 26%(100頭中26頭)
  • Schneider et al, JNCI, 1969を改編
  • この表を見てすぐにお分かりになると思います。 2回目の発情以降に避妊手術をしても、乳腺腫瘍に関しての発生率は避妊手術しない場合と同じ割合です。 ところが、避妊手術をする意義というのは乳腺腫瘍になるからだけではありません。老齢になってきてから子宮や卵巣の疾患になってしまったらどうでしょう。若い年齢で避妊手術をすると言うことは、健康なうちに手術を行うと言うことになりますので、麻酔も比較的安全に行え、老齢になって行うより断然利点の方が多いでしょう。しかし老齢になって、子宮や卵巣の病気を患ってしまった場合、病気自体に加えて他に慢性的な病気(例えば心臓の僧帽弁閉鎖不全症などが代表的な例ですが)のある事が多いですから、麻酔、手術を含めて危険性は増加します。
  • さて「避妊手術や去勢手術は世界的にみて、ごく一般的に行われている手術なのか?」という素朴な疑問に対する答えは「No」です。 ヨーロッパのある国では避妊手術や去勢手術をほとんど行いません。またアメリカではほとんど避妊手術を行います。日本の場合には、掛かり付けの獣医師の考え方にもよりますが、通常はアメリカ的な考え方、「避妊手術や去勢手術を比較的勧める獣医師が多い」と言えるでしょう。この理由は、日本の獣医学がアメリカ獣医学に傾倒しているからだと考えられます。では「ヨーロッパの一部ではなぜ手術しないのか?」と言う問いに対する正確な答えは分かりませんが、何年か前にスウェーデンから来た方と話してみると、どうやら文化の違いに由来するものだと感じました。データはありませんが、恐らく乳腺腫瘍、子宮や卵巣の病気になってから治療するものと考えられます。一方、アメリカのある町では乳腺腫瘍がほとんどありません。なぜならば早い時期に避妊手術するワンちゃんが多いからです。「このワンちゃんの子供が見たい!!」という気持ちがある場合には、生ませることもあるでしょうが、通常は「避妊手術、去勢手術を行った方が長生きする」と言うデータが出ているので、子犬が欲しい場合には新たに迎え入れる事が多いように感じています。私の病院では、「このワンちゃんの子供がほしいですか、それとも同じ種類の子犬が欲しいですか?」と問いかけます。その時に「避妊手術をした方が長生き」というのを説明すると、半数以上の方は「このワンちゃんに長生きして欲しいので、同じ種類の子犬を飼います」または「そう言われると同じ種類のワンちゃんが欲しいだけかもしれません」という答えが帰ってきます。個人個人で考え方は様々ですし、正しい間違っているという判断はできません。ただ「このワンちゃんの子供が見たいから交配して出産させる」というのは安直すぎるかもしれませんね。

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